特別なスパイスが必要かも?というイメージのあるアーユルヴェーダ料理。
確かに日本の普段の暮らしのまま、というわけにはいかないのですが、そんなにたくさん揃えなくても十分にアーユルヴェーダ料理を楽しむことができます。料理教室に参加するにあたって、これだけあれば大丈夫!というものをご紹介します。
調味料
アーユルヴェーダの料理は日本料理のように醤油・味醂・酒など色々なくて大丈夫。
あくまで良い油と少量の塩を使い、食材の味を活かすシンプルな調理法が大半です。
良いものを少しだけ、揃えて始めましょう。
油
ギー
市販のものを購入するならこちらがおすすめです。
・ココナッツオイル
ココナッツオイルは常温で置いておいて、透明のサラサラになっている時が食用として使うのに適切なタイミング。凝固している時は無理して使わないようにしましょう。
eatreat.ではサラダのテンパリングやお菓子作り、ポテトチップスを作る時などによく使用しています。
ココナッツオイルは市販のものを購入しましょう。こちらがおすすめです。
・米油またはサンフラワーシードオイル
ギーやココナッツオイルは高価なもの。インドでも常用することはなく、ベースのオイルはサンフラワーシードオイル(ひまわりの種油)を使用しています。カレーの炒め油にはサンフラワーシードオイルを、仕上げのスパイスのテンパリングにギーを、といった具合で使い分けると経済的です。もちろん余裕があれば、なんでもギーで作ると本当に心身が丈夫に、元気になってきますよ!日本でもインド食材店などでサンフラワーシードオイルを購入することができますが、スーパーで買えるもので代用するなら米油がおすすめ。eatreat.でも米油をベースオイルとして使用しています。
塩
・岩塩
3ドーシャをバランス良く保つのに適しているのが、塩の中でも岩塩。塩は全般的に「温性」のため、夏の暑い時期や、Pittaが優勢な人、頭がカッカしやすい方など、他にも色々控えた方が良いのですが、その塩の中でもゆっくりと時間をかけて、山で精製された岩塩は温性が強すぎず心身への影響がマイルドです。まずは岩塩をベースの塩にしてみましょう。
ちなみに、岩塩の中でもピンクは何にでも使えるのでeatreat.ではいつもピンクソルトを使っています。一方、岩塩には黒と透明もあります。黒いルビーソルトは硫黄臭が強いのでステーキやクセの強い肉類を使うときに、透明のソルトはお刺身など生のお魚に適しています。
・他の塩を使うなら
海塩は海からとれます。海は木陰もなく、陽射しを防ぐところがないのでPittaが優勢になり、温性や鋭性が強いとされています。つまり摂りすぎると、熱がこもり、気持ちもキリキリしたりするのです。実際に岩塩と海塩を食べ比べてみると、海塩の方が鋭く感じるはず。(温性の違いは舐めたくらいではわかりにくいかも)
1〜4月のKaphaが優勢な時期にはこうした温性や鋭性が役立つこともあるので、それ以外の時期は岩塩にするなど使い分けてみてもいいでしょう。
砂糖
次の項目の粉と同様「精製されていればされているほど、身体を冷やすので避けるべき」とされているのが砂糖です。そのため、eatreat.では白砂糖は使用していません。インド料理のレシピだと白砂糖をたくさん使うこともありますが、心身のバランスを上手に保つのがアーユルヴェーダ料理なので、ここでは白砂糖は避けた方が良いでしょう。
・きび砂糖
最も使いやすく手に入りやすいのがきび砂糖。おうちの砂糖をまずは、きび砂糖にしてみましょう。
・黒糖
ドーシャの中だとVataの鎮静に良いとされているのが黒糖。日本でも鹿児島以南で摂れる黒糖は身体も温まり、滋味深くて美味しいですよね。
・氷砂糖
透明ですが、実は白砂糖とは違って精製されているわけではなく、岩塩のようにじっくり時間をかけて作られる氷砂糖。冷性が強く、Pitta鎮静に適しているので、夏から秋にかけて使用するのがおすすめです。夏の終わりに梨を煮たり、秋の出始めの果物をジャムにしたりするとき、使ってみてくださいね。
粉
砂糖と同様「精製されていればされているほど、身体を冷やすので避けるべき」とされています。スーパーで安価に販売されている真っ白な小麦粉の使用は控えてみましょう。アーユルヴェーダにはグルテンフリーという考え方はないのですが「精製されている小麦粉は消化に重たく、冷性が強い」とされています。消化力に自信がない方、Vataが優勢な方は一旦お休みしてみると、それだけで身体が変わります。
・全粒粉
同じ小麦粉でも、全粒粉はむしろVataの鎮静に良いとされています。アーユルヴェーダだけでなく、インド料理全般でよく使われるのが「アタ」。
薄焼きのパン「チャパティ」を作る時など、頻繁に登場します。お菓子作りに使ってみてもいいですね。日本のスーパーで販売されている全粒粉よりも「アタ」の方がきめ細やかで、調理はしやすいです。
・米粉
アーユルヴェーダには「土地で慣れているものを摂る」という考え方もあります。そのため、お米で作られた粉は私たちの心身で消化がしやすいのではないでしょうか。実際に食後も軽く、お通じの問題が起こりにくいですね。全粒粉と違って繋ぎを必要とするので、一部の調理には工夫が必要ですが、お菓子作りは米粉で統一してみるのもおすすめです。
・ラギ粉
「シコクジビエ」という雑穀の粉です。このラギをはじめ、アーユルヴェーダ料理にはいろんな雑穀が登場します。栄養価が高く、消化に軽く、良いことばかり。ラギ粉はココアみたいな風味もあって、お菓子作りに使うとチョコレートのような味わいになるし、薄焼きパンを作るときに使うと素朴な滋味にホッとします。
豆
ベジタリアン大国のインド生まれのアーユルヴェーダなので、菜食レシピが豊富です。菜食が全ての人の適しているとは限りませんが、正しく調理をすれば心のバランスを平穏にし、肉魚を食べなくても十分身体の土台を健やかにすることができます。これを機会に、いろいろな豆に触れてみてくださいね。
ここではアーユルヴェーダでよく登場するインドの豆を紹介していますが、日本にもたくさんの在来の豆があります。小豆
・ムング豆
アーユルヴェーダで最も有益とされ、レシピにも頻繁に登場するのがムング豆、日本語では「緑豆」と言います。もやしの元ですね。ムング豆は「緑の皮付きのホールムング」と、「皮をむいたイエロームング」(ひきわりと、そうでないもの)があります。前者は事前の浸水が必要ですが、あんこなども作れてホクホク美味しいし、後者は浸水なしですぐに煮えて、ダルカレーやキチュリを作るときにとっても便利。
・トゥール豆
ムングよりも大きく、ホクホクとして、栄養価が高いのが特徴。「サンバル」を作るときには必ずこのトゥール豆を使います。ムングとトゥールをミックスしてダルカレーを作ると味わい深くなり美味。ムングを使い慣れてきたら、トゥール豆にもチャレンジしてみましょう。
・レンズ豆
ヨーロッパなどでもよく使われるレンズ豆。イエロームング豆同様、浸水なしですぐに煮えて、とっても便利です。下茹でしておいてオーブンで空炒りし、サラダの具材にしても良いし、ココナッツミルクとスパイスで煮て簡単な豆カレーもできます。お肉と一緒に煮込めばモロッコ風。レシピが豊富です。
・ウラッド豆
一晩浸水しておくと、その強い粘性で「ワダ」と呼ばれるドーナッツが作れるウラッド豆。アーユルヴェーダではこのワダを作る他、ギーでテンパリングして「カチュンバリ」というサラダに使ったり、スープにしたりします。テンパリングするだけでなんとも食欲をそそる美味しい香りが立つのが特徴です。
・ひよこ豆
ひよこ豆のカレーや、サラダの具材、フムスなど、日本でも人気のレシピが多い「ひよこ豆」。でも、実はガスを生みやすいのであまりアーユルヴェーダ的とはいえません。使う時はガス防止の「アジョワンシード」などのスパイスを必ず使い、乾燥した豆を購入してご自身で茹でて使うようにしましょう。
スパイス
eatreat.では90%、東京スパイスハウスさんのものを使用しています。スパイスにも育つのにそれぞれ適した土地というものがあります。カルダモンやシナモンならスリランカ、バラならイラン、胡椒は南アジア、といった風にいろいろあるのですが、スパイスハウスさんは世界中からそれぞれ適した土地で摂れた良質なものを生産する生産者と繋がり、彼らから輸入して販売されています。
皆さんがスパイスを購入するときのポイントとしては、適した土地のものを輸入しているところから買う、というのも大事ですが、一番大事なのは「少量で買う」こと。インド食材店などでは500gや1kg単位での販売が多いのですが、スパイスは「香辛料」というだけあって「香りが命」。大量買いしてしまって使いきれないと、5年くらい経って「もう香りの賞味期限が切れている」状態になってしまいます。
「良いものを、少しだけ」と覚えていただいて30g〜50g〜多くても100g程度で購入して使うようにしてください。
<料理教室で使うスパイスについて>
どんなスパイスを揃えたら良いか、ということについては料理教室の中でご紹介しています。だんだん好きなスパイスや、体質に合ったものがわかったら、東京スパイスハウスをはじめ「良いものを、少しだけ」買えるところで少しずつ揃えてみましょう。
料理教室では「レシピに合わせたスパイスセット」を含む「便利な料理教室セット(名前は仮)」を別途購入いただけます。いろいろ揃えるのが大変。計量が面倒だな!という人には特におすすめ。こちらからどうぞ。
<東京スパイスハウスで買い物をするなら>
・店舗
中野に店舗があります。営業日をチェックして行ってみましょう。
・Farmer’s Market
土日に青山の国連大学前で開催しているFarmer’s Marketに出店されています。夏場はお休みされていることもあるのでスパイスハウスのInstagramをチェックしてから行くようにしてください。
・オンライン
ネットショップもあります。UPされていないスパイスもあるのですが、大体在庫をお持ちなのでメモ欄で「このスパイスはありますか?」と相談してみると良いかも。
野菜
アーユルヴェーダで最も大切なことは「未消化物を作らない」食生活です。消化に軽いものが良いとされていますが、単に消化軽性のものばかり食べるというより、消化に負担がかかるものを避けると考えた方が良いでしょう。その中には、オーガニックな食材を使って作られたどっしりとしたカレーもあれば、一見軽く見えるけれど農薬や添加物がたっぷりの料理もあります。前者は薬になることもありますが、後者は消化に負担がかかるばかり。長い間、体内に滞留し、未消化物が生まれやすい身体になってしまいます。
こうした概念的なこともありますが、それだけでなく単に使っていて気持ちがいいから。そして食べてくれる人がピュアな気持ちになるから!という理由で、eatreat.では有機無農薬の、心根の優しい生産者の方から直接野菜を仕入れ、使用しています。
お取引のある生産者/販売場所をご紹介しておきます。オンライン販売をされている方もいますので、お試しください。
・サンバファーム
・中里自然農園
・蓮根ファーム
・タネカら商店
・FOOD&COMPANY
・青山Famrer’s Market
ミルク
・牛乳
ミルクの中でも牛乳は、アーユルヴェーダにおいて最も良い食材の一つとされています。日本でも最近はなかほら牧場さんをはじめとした自然放牧の牧場や、スーパーでも手に入りやすいA2ミルクなど、牛に優しく、良質な牛乳が増えてきています。牛乳は滋養たっぷり、冷性で、身体の土台を作る食材とされています。必ず温かくして飲みましょう。eatreat.では島根の木次牛乳さんから卸していただいています。
・豆乳
豆乳は日本では馴染みのあるミルクですが、原材料が大豆。身体を乾燥させ、冷やす性質を持ちます。冷たいまま飲んでしまうと身体がかえって疲れたり、お腹にガスが発生したり、冷えたりしますので、温めて生姜などスパイスと共に摂るのがおすすめです。豆乳鍋なんかはいいですね。
・そのほかの植物性ミルク
牛乳の消化酵素がなかったり、大豆のアレルギーなどがある場合、最近はアーモンドやオーツなど植物性ミルクが豊富なので便利ですね。アーモンドは滋養があり、婦人科の症状に有効で、オーツはダイエットに良いです。シーンに応じて選んでください。eatreat.ではアーモンドミルクをたまに使っています。
お米
主食になるお米。日本米も含めていろんな品種があって楽しいですよね。
・古米と新米
秋頃に摂れる新米は消化に重たく、それが1年経って残っている古米は消化に軽いことから、アーユルヴェーダでは実は古米の方を重宝しています。消化力が高く元気ならば良いのですが、体調が優れないシーンでは、新米でもわざわざ空炒りして軽くしてから炊いたりするほど。秋の始まりに、まだ体調が良くない時は無理して新米を食べないようにしてみてくださいね。
・玄米と白米
玄米は栄養価が高く身体に良いイメージがありますが、玄米の方が消化に重たい傾向にあります。消化力が弱い人、疲れている人、痩せている人は玄米を選ばず、白米にした方が健やかな身体を作れます。玄米を食べる場合はよく噛むようにし、ギーをかけても良いですね。
・サリークイーンがおすすめ!
eatreat.では栃木の自然農園「大島農園」さんのサリークイーン(日本米のササニシキとバスマティライスを掛け合わせたもの)を使用させていただいています。さらっとしてとっても食べやすい。カレーにも合うし、ふわっとしていて食べていて幸せな味です。小売もされているようなので、インスタグラムをご覧ください。